MP3ファイルを結合しようとした際に、思いがけないエラーが発生することがあります。
特に多い原因のひとつが、結合対象のファイル同士でサンプルレートやビットレート、チャンネル数などの音声プロパティが一致していないことです。
このような場合、単にファイルを結合しようとしてもうまくいかず、再エンコードや事前の確認作業が必要になります。
本記事では、MP3ファイルのプロパティの確認方法から、再エンコードによる統一、そして結合の実行までを解説します。
1. MP3ファイルのプロパティを確認する
まずは、各MP3ファイルのプロパティを確認します。以下のコマンドを使用してください。
ffprobe -i input1.mp3 ffprobe -i input2.mp3 # 必要に応じて他のファイルも確認します
出力される情報の中で、サンプルレート(例:44100Hz)、ビットレート(例:192kbps)、チャンネル数(例:ステレオ=2ch)が一致しているかを確認してください。
2. プロパティが異なる場合の対処方法
もしファイル間でプロパティが異なる場合は、再エンコードして統一する必要があります。以下のようにffmpegコマンドを使用してください。
ffmpeg -i input1.mp3 -c:a libmp3lame -ar 44100 -b:a 192k -ac 2 output1_fixed.mp3 ffmpeg -i input2.mp3 -c:a libmp3lame -ar 44100 -b:a 192k -ac 2 output2_fixed.mp3
※ 上記の「44100」や「192k」などの数値は一例です。実際には、元のファイルに合わせて調整してください。
3. 再エンコード後にファイルを結合する
プロパティを統一したら、次に結合を行います。以下のコマンドを使ってください。
ffmpeg -i output1_fixed.mp3 -i output2_fixed.mp3 -filter_complex concat=n=2:v=0:a=1 -c:a libmp3lame output_combined.mp3
この方法では、複雑なフィルターグラフを使わず、シンプルな構成でファイルを結合できます。
複数のMP3ファイルを一括で結合するスクリプト
複数のMP3ファイルを一度に結合したい場合は、以下のシェルスクリプトを活用すると便利です。
#!/bin/bash # 対象ディレクトリのパス target_directory="path/to/your/directory" # 出力ファイル名 output_file="output.mp3" # ディレクトリに移動 cd "$target_directory" || exit # ファイルリストを一時ファイルに書き込む for file in *.mp3; do echo "file '$PWD/$file'" >> filelist.txt done # ファイルリストを使ってMP3ファイルを結合 ffmpeg -f concat -safe 0 -i filelist.txt -c:a libmp3lame "$output_file" # 一時ファイルを削除 rm filelist.txt echo "結合が完了しました。出力ファイル: $output_file"
この簡素化されたバージョンでは、複雑なフィルターグラフを回避し、「concat」デマルチプレクサを使用してファイルを単純に連結します。
ストリームに互換性がある場合、これは問題なく動作するはずです。