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Docker コラム

dockerでうっかりバージョンを上げると動かなくなることがある

2024年11月7日

※この記事は具体的なコマンドなどではなく、注意喚起です。

Docker自体をバージョンアップした時でも、新バージョンでの仕様変更や互換性の問題、バグの影響でイメージやコンテナが動かなくなることがあります。

顕著な症状として、DBコンテナの異常動作が挙げられます。具体的には、コンテナの再起動ループや、CPU使用率の急激な上昇(100%超過)による不安定な動作が観察されます。

これらの問題は、コンテナオーケストレーションレイヤーでの互換性の齟齬に起因することが多く見られます。

Docker Engineのバージョン更新による構造的変更

メジャーバージョンの移行(例:19.x → 20.x)では、コアアーキテクチャに関わる重要な変更が含まれることが多々あります。

特に、containerdやrunCなどの低レベルコンポーネントの更新により、既存のコンテナランタイムとの互換性が損なわれる可能性があります。

マイナーバージョンアップであったとしても、新しいバージョンには新機能が加わる一方で、バグが新たに入り込むこともあります。Githubのissuesを注視しておきましょう。

API互換性とインターフェース変更

Docker Engine APIやCLIインターフェースの仕様変更は、CI/CDパイプラインやInfrastructure as Codeの実装に直接的な影響を及ぼします。

特に、RESTful APIのエンドポイントやペイロード構造の変更は、自動化スクリプトの機能不全を引き起こす可能性があります。

ストレージの変更

ストレージドライバ(overlay2, aufs, devicemapperなど)のアーキテクチャ変更やデフォルト設定の変更により、既存のボリュームマウントやデータパーシステンスレイヤーに問題が生じることがあります。

特に、Copy-on-Write(CoW)の挙動変更は、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

オーケストレーション層での非互換性

Docker Composeのマニフェストフォーマットやネットワーク/ストレージプラグインとの互換性は、バージョンアップにより大きく影響を受けます。

特に、Compose Specificationの変更やネットワークドライバの仕様変更は、マイクロサービスアーキテクチャ全体に波及する可能性があります。

セキュリティポリシーとコンプライアンス

以外と影響を受けるのがセキュリティ周りです。

セキュリティ強化に伴うデフォルトポリシーの変更(例:capabilities, seccomp profiles)により、特権コンテナや特定のカーネル機能に依存するワークロードが影響を受ける可能性があります。

事前対策としてのフォールバック戦略

緊急時に即座に戻せる戻し先を確保しておく事も重要です。

  • スナップショットとバックアップの取得
  • ロールバックプランの策定
  • 緊急時のダウングレード手順の整備

結論

Dockerエコシステムのバージョンアップは、システムの安定性と信頼性に直接的な影響を与える運用タスクです。

リスク評価と検証プロセスを経ることで、予期せぬ障害を最小限に抑えることが可能となります。

特に、マイクロサービスアーキテクチャを採用している環境では、サービス間の依存関係も考慮した包括的なアップグレード戦略の策定をしないと、元に戻せなくなったり、古いDBが動かせなくなる事があります。

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  • この記事を書いた人

朝倉卍丸

シングルモルトスコッチなどのお土産を持ってきた人を助けるのが好きです。サービスの分割が重要ですが、まあ昔ながらの方法でやりたいこともありますよね。

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