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スクワッドモデル|他社の組織構成からの学び

Spotifyは、アジャイル開発方法論を採用しており、その一環として「スクワッド」(Squad)と呼ばれる小さなクロスファンクショナルチームを組織内で使用しています。

スクワッドはKPIやCVR向上などやるべき事に焦点をあてたチーム分けです。

特定のプロダクトや機能に関連するタスクを負担し、そのタスクを実行するために必要なリソースを持つチームです。

以下は、Spotifyのスクワッドに関する特徴や役割についての詳細です。

特徴

これらの要素は、Spotifyが自分たちの仕事を組織化する際に、どのように人々とチームが構造化されるべきかについての重要な要素を特定したものです。

このモデルは、Spotifyがアジャイルをどのようにスケーリングするかについての視点を表しており、製品開発組織内で複数のチームを組織化する一つの例です。

特定のセットに焦点を当て、それだけを実践するのではなく、仕事を組織化する方法に焦点を当てています。

1. クロスファンクショナルチーム

スクワッドは異なるスキルセットや専門知識を持つメンバーから構成された自律的なチームです。

エンジニア、デザイナー、プロジェクトマネージャー、プロダクトオーナーなどが協力し、特定の目標を達成します。

2. オーナーシップと責任

スクワッドは特定のプロダクトまたは機能に対する完全なオーナーシップと責任を持ちます。

そのプロダクトや機能の開発、維持、改善に関する全体的な責任を負います。

「自律的であれ、しかし最善でない状態にしないで!」というのが、Spotifyのアジャイルモデルにおける各スクワッドのための重要な原則です。

3. リリース計画と追跡

Spotifyのアジャイルモデルは、開発の速度を一定に保つのに効率的であり、結果チームはより早くリリースすることができます。

スクワッドは継続的なイテレーションを通じてプロダクトや機能を改善し続けます。ユーザーフィードバックを取り入れ、データに基づいた意思決定を行います。

4. コミュニケーションと協力

Spotifyの組織文化では、異なるスクワッド間での協力と情報共有が重要視されています。

スクワッドは他のチームと協力し、大規模なプロジェクトに対応するために連携します。

スクワッドモデルの核心要素

Spotifyのスクワッドモデルは、俊敏性、イノベーション、そしてチームメンバーのエンゲージメントを促進する強力なフレームワークです。

Squads / Tribes / Chapter / Guild / Trio / Allianceの6つの核心要素から構成されています。

  1. Squads:特定の機能に焦点を当てた自律的なクロスファンクショナルチームです。
  2. Tribes:同じ機能領域で協力する複数のSquadsから成ります。
  3. Chapter:特定の専門分野でベストプラクティスを共有するためのグループです。
  4. Guild:特定のトピックに対する興味を共有する人々のコミュニティです。
  5. Trio:Tribe内での連携を保つためのリーダーシップチームです。
  6. Alliance:大きな目標を達成するために協力する複数のTribeから成ります。

導入にはいくつかの課題もあり、組織全体で慎重に検討する必要があります。

望ましく無い分け方

特定の専門領域に特化したチームである場合、それは通常のスクワッドとは異なり、むしろ「課」や「部門」のようなチーム分けと考えるのが適切です。

この場合、ただのチームでしかありません。

スクワッドは通常、クロスファンクショナルな性質を持ち、特定のプロダクトや機能に対するオーナーシップと責任を持つ小規模な開発チームとして機能します。

一方、特定の専門領域に特化したチームは、通常は異なる種類のタスクやプロジェクトを担当し、クロスファンクショナルな特性が強調されない場合があります。

課や部門のようなチーム分けが特定の専門領域に焦点を当てている場合、それはスクワッドとは異なるアプローチである可能性が高いです。

スクワッドとチーム分けの違いを理解することは、組織の効率性とタスクの遂行に重要です。

参考:Complete Guide to Highly Effective Spotify Scaled Agile Teams | by Kendis Team | Scaled Agile Framework | Medium

  • この記事を書いた人

朝倉卍丸

シングルモルトスコッチなどのお土産を持ってきた人を助けるのが好きです。サービスの分割が重要ですが、まあ昔ながらの方法でやりたいこともありますよね。

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